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茶木 雅夫*; 大橋 弘忠*; 秋山 守*; 文沢 元雄
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.151 - 156, 1993/00
高温ガス炉など気体を内包する原子力熱利用機器の配管破断時に生じる空気浸入により、構造物の酸化が起こる。酸化反応低減のため、周囲と密度の異なる不活性気体を注入することが考えられる。注入口付近の流動状況を調べることは安全評価上必要である。このため、気体噴流の数値解析とレーザ流速計(LDV)による流速測定実験を行った。非定常解析の結果、噴出気体は鉛直方向に空気を押し退けながら上昇し静止空気に衝突して水平方向に移動すること、その際に発生する渦が鉛直方向に加速されることが分った。定常解析及びLDVによる実験より、中心軸上流速が加速されること、流速の半値半径が減少することが確認された。
文沢 元雄; 菱田 誠
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.85 - 92, 1993/00
高温ガス炉のスタンドパイプ破断時空気浸入事故に関連して、垂直及び傾斜した環状流路を通るヘリウム・空気置換流(対向流)実験を行った。またマッハツェンダ干渉計により非定常濃度分布の可視化を行い、流動様式を観察した。その結果、環状流路の内筒が14mm以上(等価直径6mm以下)になると置換流量が低下すること、垂直の環状流路の流動様式は傾斜円管流路の場合と同様に安定した分離流となっている可能性があることが分かった。
鈴木 光弘
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.63 - 68, 1993/00
加圧水型原子炉を模擬する大型非定常試験装置(LSTF)の小破断冷却材喪失事故実験を対象として、炉心冷却不全(ICC)事象を検出する炉心出口温度計(CET)の検出特性を明らかにした。1979年の米国TMI事故以降、直接的なICC検出システムとしてCETは重視されてきたが、大口径破断を中心とした米国LOFT実験での特性研究以外では、このCET特性を明らかにした研究はない。本報では、高圧注入系の不作動等を仮定してICC条件を作り、破断位置及び破断口径等の実験条件を変えた21件の実験を対象として次の結果を得た。1)小口径破断のICC条件下では、CET温度特性はICC検出に役立つ。2)検出おくれ時間は低温側破断で破断口径が大きい程長くなり、10%破断では検出できなかった。3)低温側10%破断の場合を除き、ICC検出おくれ時間を、CETの検出時間(破断後)の関数で表わした(誤差11%以内)。なお一般化の課題も示した。
T.Chataing*; 中村 秀夫; 久木田 豊
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.247 - 254, 1993/00
ウエスティングハウス社型PWR炉停止時の余熱除去系機能喪失事象を模擬したROSA-IV/LSTF実験(TR-RH-02)につき、CATHARE 2、RELAP5/MOD3の2つのコードを用いた解析を、低圧、低炉出力、非凝縮性ガスが関与した条件でのコードの予測性能検証のため実施し、比較検討を行った。その結果、両コード共、ループシール水が排出される約2500秒まで実験結果を良く模擬した。ただし、炉心、ダウンカマ、コールドレグ、蒸気発生器2次側等で発生した多次元自然循環を1次元コードで予測する上で、ノーディングが重要な効果を持つと共に、2つの並行流路によるノーディングにより、定性的に模擬可能な場合があることを示した。更に、炉心部とダウンカマー間の伝熱、構造物壁面上での凝縮熱伝達が1次系の圧力上昇の予測に大きな影響を及ぼすことを明らかにした。
田坂 完二*; 羽賀 勝洋*; 玉置 昌義*; 村田 秀男; 安濃田 良成; 久木田 豊
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering, p.301 - 306, 1993/00
PIUS型固有安全炉において、定常運転時の安全性と異常時での安全性を両立させることが重要である。これまでの研究で、下部密度ロックにおける密度界面を安定に保つように、1次系ポンプ回転数をフィードバック制御することによって、安全性と安定性の両立が確保されることを明らかにした。本報告では、特に炉の立ち上げ時における下部密度ロック中心温度による循環ポンプ回転数制御の有効性を調べるため、PIUS炉を原理的に模擬した実験装置により、大気圧下の実験を行った。実験の結果、制御開始時に1次系とポイズン系の温度差がわずかでもついていれば、制御が可能であるが、全く温度差の無い状態からは制御が困難であることがわかった。しかし、ポンプ出口にヒータを付加するような工夫をすれば、どの様な状態からも本制御方法による立上げが可能である。
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
Proc. of the 2nd ASME/JSME Nuclear Engineering Joint Conf., 1993,Vol. 2, p.167 - 172, 1993/00
原子炉出口冷却材温度1000C級の高温ガス炉の開発に備えて、その高温部構造用材料としてNi-Cr-W系超耐熱合金の開発を進めてきた。開発プログラムの第1段階では、基本となるNi-Cr-W組成比の最適値がNi-18~19mass%Cr-20~22mass%Wであるとの結論を得た。第2段階では、最適Ni-Cr-W組成比合金の熱間加工性、引張特性、時効特性、大気中クリープ破断特性及びHTGRヘリウム中耐食性に及ぼす微量添加元素の効果を系統的に調べ、得られた特性と成分元素量の間の関係に関する重回帰分析を行い、最適化学組成を提案した。開発プログラムは、現在第3段階にあり、最適化学組成を有する合金を工業規模(2000kg)で溶製し、原子炉の熱交換器用伝熱管を想定した継ぎ目無し管の試作を行った。その結果、ここで開発中の新合金は、熱間加工性、冷間加工性ともに継ぎ目無し管の製造が可能な特性を有していることが確認された。